最近は葛湯が好きです

青春18切符の旅 2日目

朝起きたらすごい雨の音。残念だなと思いながら準備をしていたらセミの鳴き声が。外を見たら雨が止んでいた。セミって晴れてるときしか鳴かないのだろうか。ゲストハウスの荷物置き場は、大きな襖の中。襖は片手では開かなかった。古い家だったので両手で持って平行にしたまま上に浮かせて動かさなきゃ開かないタイプかなと思って頑張っていたら、襖の前にあったソファーを前にずらしただけですんなりと開いた。大きなリュックを宿に置き、私たちは伊勢神宮へ向かった。

 

伊勢神宮の手前には色々なお店があって。砂利と見せかけて割れた陶器敷くお店。青く透き通りながらぎゅっとした密度と自然な濃淡とムラのある陶器。看板に垂直に生けられたお花。展示物のように飾られ、壁の模様になっていたお豆。ふと前を向きなおすと、目の前の女の人が包丁屋さんの中にすっと入った。お店の中心にあった木の棒を引き抜き、店員さんに話しかけている。あの木の棒はなんだろうとお店の中を覗くと、「占」という文字が見えた。「神話占合」だった。聞くと、引き抜いた木の棒の先にはひらがなが書いてあり、その文字から始まる古事記の一部にまつわるお言葉をもらえるというものらしい。面白そうだったので引いてみた。私が引いたのは「と」。『炎も誰かを助けるために使うこともできれば誰かを傷つけることもできる。あなたの才能も、使い方をよく考えてふるまいなさい。』みたいな内容だった。神社で引くおみくじの番号はすぐに忘れてしまうけれど、ひらがなは覚えていた。 

時刻はもう11:30伊勢神宮の手前に伊勢うどんのお店を見つけたので入る。普通の暖かい伊勢うどんを注文。太くてふわふわした麺に濃いめの汁。1時間くらい茹で続けるものらしい。一緒に旅行に行った子は福岡出身で、福岡のうどんも太めらしいけど、こんなに太くはないって言ってた。テレビの前にいたおじいちゃんに食べ方のアドバイスをいただきながら美味しくいただいた。あのおじいちゃんは、きっとずっと通ってる地元の方なんだろうなぁ。

 

伊勢市駅から近い下宮に到着。特に看板もなく普通に立っているあの大きな木の樹齢は900年。あるものは生まれて亡くなって生まれて、またあるものは作られて壊されてまた新しく買い直されてと繰り返している間に、この木は一人で太く成長し続けていたと考えるとなんかすごいことのような気がする。そんなことを考えながら歩いていると、雨が降ってきた。小雨だったので最初は傘をさしていなかったけれど、強くなってきたので傘をさした。するとより近くで雨の音が聞こえる。音は、雨をより意識させた。その後出会った多分一番大きな木は、この雨のせいかツヤがもうすごくて、何かを通り越してディズニーランドのスプラッシュマウンテンの近くにある作り物の木のようだった。角度を変えると七色に光っているように見えた。タマムシみたいに。

バスに乗って下宮から内宮へ。内宮の方が人が多い。神社には珍しい下宮は左側通行だけど、内宮は右側通行。この話で盛り上がったことがあるけれど、またそれは次の投稿で。赤福本店でかき氷を注文。夏祭りの屋台以外でかき氷を食べたことがあまりなくて、もしかしたら人生で一番高いかき氷だったかもしれない。抹茶が美味しかった。 

内宮から少し歩いたところにあるおかげ横丁は、鎌倉の小町通りを思い出させる。観光客が多く、インスタのハッシュタグを指定してるお店まであった。お店ののれんやロゴには、レトロなものから現代っぽいのまであって可愛い。いっぱい写真を撮りたくなる。

 

本日の移動は、尾鷲駅まで。明日熊野古道を歩くから。はじめは(確か)亀山駅で乗り換えてそこで駅弁を買おうと思ったけど、路線図を見たらその一つ奥に松阪駅があることに気がついた。そう、お肉で有名な。調べたらそっちの方が駅弁が美味しそうだったので松阪駅まで行って戻ることにした。そう、「松阪」って、「まつさか」って読むんだって。ずっと「まつざか」だと思ってた。電車は事故か何かが原因で遅延していた。この日にちょうど尾鷲駅で花火大会があることを知ったけど、それに間に合うためには別料金を払って特急に乗らなきゃいけなくて。悩んで悩んで、やめてしまった。ホームで駅弁を開いて食べていた時、目の前にどこで打ち上げられているのか分からない花火が上がった。きれいだね、なんて言いながらご飯を食べていたら、何かが友達の顔にぶつかってきた。バッタだった。もっと驚いた。バッタってそうやって飛ぶものなのか、それとも斜めにしか飛べなくなってしまったバッタだったのか。

真っ暗な景色の中揺られながら、やっと尾鷲駅に到着した。ちょうど花火大会が終わった頃だったのに、駅の周りは伊勢市駅よりもずっと暗い。歩道と車道が混ざってるような道を歩きながら、「これは自分の子供には門限6時にするね」なんて話した。いつコインランドリーで洗濯しようかと話していたら、福岡ではゴミ出しは夜やるものなんだということが発覚した。朝が当たり前だと思ってた。